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「お雑煮」

新年に、皆様のご多幸をお祈り申し上げます。
また暮れの京橋ASK?での個展にお出掛け下さった方には、御礼申し上げます。

私たちはお正月に色んな思いでお雑煮を食べます。お雑煮は、地方によって、ご家庭によって、それぞれ異なるようですが、大きく三種類に分けられるそうです。京都を中心とする関西は「味噌仕立て」、関東、中国、九州は「澄まし仕立て」、小豆雑煮で祝う地方もあるそうです。

我が家では、正月三が日に、この三種類のお雑煮を全て食べます。

元旦は、夫の実家の習慣を受け継いだ「白味噌仕立て」──丸餅と鶏肉に、里芋、人参、大根等の野菜の角をとったものを加えます。白味噌に普通の味噌を少し足して、セリ、柚子で仕上げます。

二日は、これも夫のたっての要望で、「小豆雑煮」です。と言っても、ほんの一杯づつなので、小豆から煮る手間を省き、小倉あんや缶詰で簡単に済ませます。これを食べながら、「お父さんの子供の頃は、これが立派な食事だった。」と、彼は必ず子供達に言って聞かせました。もう何回も聞いた話なのに、息子は黙って頷きました。娘は、おぜんざいが大の苦手で、大急ぎで塩昆布をつまみ、煎茶を飲んで耐えていました。

三日は、私の実家の「澄まし仕立て」がやっと登場します。角餅に鶏肉、海老、ウズラ卵、椎茸の甘煮、蒲鉾、ほうれん草、三つ葉、柚子を加えます。お雑煮は出汁で決まるので、私は暮れに昆布、椎茸、花カツオで丁寧に出汁をひきます。

夫が他界して15年近く経ちました。彼を失った翌年のお正月、そこから今に至る全てのお正月に、私は、夫の居た頃と同じように、三が日、三種類のお雑煮を作り続けています。
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